訪問リハビリと水分摂取の重要性
平均気温の上昇と湿度の高い日が増えている近年、特に高齢者や体力の低下した方々にとっては、熱中症や脱水症のリスクが高まっています。
訪問リハビリを行う理学療法士として、利用者様の健康を守るため、リハビリ後の水分摂取の重要性についてお伝えしたいと思います。
◾️水分摂取の意義
私たちの体は体重の約60%が水分で構成されており(高齢者では約50~55%)、生命維持に欠かせない存在です。
体内の水分量を保つためには、1日に取り入れる水分量と排出される水分量のバランスを維持することが大切です。尿や便、汗などから、1日に約2500mlの水分が排出されます。
水分は細胞の働きを助け、栄養素の運搬や老廃物の排出にも重要な役割を果たします。特に高齢者は、感覚の鈍化や腎機能の低下により水分摂取量が不足しがちで、体内の水分バランスが崩れやすくなります。その結果、脱水症状を引き起こしやすく、重篤な熱中症に繋がる可能性があります。
◾️訪問リハビリと水分補給
訪問リハビリでは、身体機能の向上を目的にさまざまな運動を行いますが、運動中や運動後の水分補給は非常に重要です。運動により汗をかくことで体内の水分が失われるため、適切な水分補給を行わないと、筋肉の疲労感や頭痛、めまいなどの症状が現れることがあります。
特にリハビリ後には、利用者様が自発的に水分を摂取する意識を持つことが大切です。高齢者の中には「喉が渇いていないから大丈夫」と感じる方も多く、実際には脱水状態に陥っている場合があります。理学療法士として、リハビリ中に水分補給の重要性を伝え、利用者様が自ら進んで水分を摂取できるよう促すことが求められます。
◾️水分補給のポイント
1. こまめな水分補給:リハビリの合間や終了後に、少しずつ水分を摂取することを推奨します。一度に多量を飲むのではなく、少量を頻繁に摂ることで、体が水分を効率よく吸収できます。
2. 適切な飲み物の選択:水分補給の基本は水ですが、スポーツドリンクや麦茶など、電解質や糖分を含む飲み物も効果的です。特に暑い日や運動後には、体内の塩分やミネラルを補うため、これらの飲み物を選ぶと良いでしょう。
3. 飲む習慣をつける:利用者様が日常的に水分摂取を意識できるようサポートします。例えば、リハビリの前後に飲むことをルール化することで、自然と水分補給が習慣づけられます。
◾️まとめ
訪問リハビリ後の水分摂取は、熱中症や脱水症を予防し、健康的な生活を維持するために非常に重要です。理学療法士として、利用者様に適切な水分摂取を促し、健康を守ることが私たちの役割です。今後も、利用者様の健康を第一に考え、リハビリを通じて安全で快適な生活をサポートしていきたいと思います。
