筋力低下と転倒を防ぐために
新型コロナウイルス感染症の拡大で外出自粛が呼びかけられ、高齢者が自宅にとどまる日々が続いています。
家に閉じこもることで筋力が低下してしまい、高齢者の転倒の大きな要因となっています。
転倒による骨折で寝たきりになり、要介護の状態になることは決して少なくありません。
また、高齢者の外出自粛が長く続けば、要介護状態の一歩手前である「フレイル」になるリスクも高まります。
フレイルとは、健康な状態から要介護状態へ移行する中間段階のことです。
家に閉じこもりきりになることで、筋力などの身体機能が低下するほか、認知障害やうつ病などの精神・心理的問題、あるいは孤立や孤食などの社会的問題が発生しがちとなります。
それらが複合的に作用することにより、要介護状態へと移行してしまうのです。
なぜ短期間の間にさまざまな機能が低下してしまうのかを調べてみると、1週間安静な状態が続くと15%の筋力が低下し、3〜5週間で50%の筋力が低下すると言われています。
そこで、筋力低下予防のため、自宅でできる簡単な運動を紹介します。
一日に3回くらい運動するのが目安です。
運動を楽しみながら継続するため、好きな音楽やラジオなどを聞きながら行うのもオススメです。
椅子に座りながらできる足のトレーニング(画像参照)
・椅子に座り、両手で椅子のはしを持ち体を支えます。
・片足を伸ばしながら、爪先を手前に近づけます。
・3秒止めて下ろします。
・片足10回づつ行ってください。
転倒の原因の1つに、膝が伸びなくなってしまうことが考えられます。
膝が伸びなくなってしまうことで、足の支えが低下して足を擦って歩くようになってしまいます。
そのため、段差に躓きやすくなり転倒の原因となってしまいます。
そのため、膝を最後までしっかりと伸ばす筋肉を鍛えておくことが大切になります。
皆様、無理のない範囲での運動を継続させ筋力低下を防ぎましょう。
いちむじん訪問看護ステーション リハビリ室